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食品ロスゼロ、それはkoyomiが生きる道。日本の社会において、食品ロスは長らく未解決の社会課題です。飲食店において食品ロスは当たり前。コンビニやスーパーでも廃棄は当たり前。統計の上では、日本の一人当たりの食品ロスは中国に並ぶアジアワースト。

なぜ、当たり前にしたくない課題が、「当たり前」になっているのでしょうか。

それは、今の飲食/食品業界がロスの前提の上に成り立っているからです。

とは言っても、飲食/食品業界も食品ロスを削減するため、懸命に戦ってきたようです。日本の消費者は世界一厳しく、日本の生産者は世界一それに過敏です。その二者の思いを同時に実現した奇跡のイノベーション、それが食品添加物です。この救世主「食品添加物」は顧客と生産者の要求を同時に満たす優秀さから、一気に普及し、消費者、生産者、そして行政の心を射止めた。「少量だったら表示しなくて良いよ」とか「危なくなさそうな名前に変更しよう」と言った便宜が行政によって図られ、またそれぞれの食品添加物の危険性が一般顧客に説明されることはないので、バンバン売れる。大手の食品メーカーはメディアの広告主でもあるので、食品添加物の危険性が報道されないように目を光らせます。不都合な真実は蓋をされて、資本主義の原理に乗って、今では日本は世界トップクラスに食品添加物を消費する国になりました。他の国で禁止になってる添加物もおかまいなし。日本は、農薬と添加物の超大国まっしぐら。というのが戦後約80年の歴史です。

でも不思議です。日本人は本来「自然の味」を好む民族です。究極的な雑食で、季節毎の旬を巧みに楽しみ、他国では食されないものも食す好奇心も持つ。日本人は確実に味覚が鋭い。それの証拠に、日本食は世界でも唯一、旨味を中心に料理が組み立てられます。素材そのものが持つ旨味が最も引き立つように味を「添えさせて頂く」のが、日本の料理。

しかし、いつしか、日本は味を作り出すことへの品質を高め、改善に改善を重ねて、今では狙った味を寸分狂わず実現できるそうです。日本の食品業界は日本人特有の「味覚の鋭さ」を、ある意味では、ダークサイドに発展させてきた。かくして、味は添えさせて頂くものではなく、「作り出すもの」になった。

日本人の味覚は次第に壊れていき、添加物がないと味がしないと感じる層が支配的になっていった。加えて、見た目も綺麗であることや、保存性が良いことへの需要が喚起され、保存料や防腐剤などの添加物もたくさん使われるようになりました。

これに並行して日本では新たな信仰が生まれます。賞味期限です。日本人は仏教や神道よりも、「賞味期限」を信仰するようになります。自らの味覚や嗅覚よりも賞味期限を頼るようになりました。作り手も賞味期限を長く保つためなら積極的に添加物を利用する動機が湧きます。

賞味期限は絶対なので、それを過ぎたら漏れなく廃棄です。コンプライアンスですもの。

これが食品ロスが生まれる実態です。

そして、賞味期限への信仰が深まるにつれ、栄養への関心は薄れていきます。つまり、日本の食品業界は、食べ物の見た目や賞味期限を優先する過程で、栄養価を犠牲にしてきたのです。

当店は植物由来の自然食品に代表される「本物の食事」を提供していますが、本物を貫くほどに「珍しいですね」と言われる。最初は嬉しかったけど、どうしても違和感が拭えないし、矛盾を感じる。本物の食事が珍しい社会っていうのは、やっぱりどこかサミシイ。

そもそも、自然を観察すると「食品ロス」なんてものは見られません。人間にとっての当たり前は、自然の原則の元では当たり前ではないものも多いです。

私はkoyomiを起業する前は、飲食関連の経験がありませんでした。でも、それが幸いし、業界の常識に影響されることはありませんでした。koyomiは自然と調和した循環型事業であるため、自然に倣って食品ロスが出ない設計としました。

食品ロスを出さないために、私達は次の二つのことを大切にしています。一つは、逆転の発想で素材を買い付けること、そしてもう一つは、冷凍庫で時間を止めること。

一般的な飲食店の場合、自分が売りたいメニューを成立させるために、自分が欲しい素材を、欲しい量、欲しい時に注文します。一方、koyomiは特定の農家と通年お付き合いする中で、農家が出荷できるものを出して頂ける分だけ仕入れます。メニューの構成は仕入れてから考えます。ジュースのレシピも旬次第で常に変化します。買い受けた素晴らしい野菜たちを使い切ること、これを第一義にメニューを考えるので、ジュースにはじまり、カレー、スープ、サラダ、スムージー、スムージーボウル、ランチなどなど、商品が広がり、素材を使い切るオペレーションが出来上がりました。koyomiはこのように、逆転の発想で事業を運営することで、農家にもkoyomi自身にも自由を生んでいます。

そして、旬の栄養価を存分に取り入れたレシピ作りをする中で、私達が犠牲にしているのは「商品が毎回同じということ」です。工場で作られる清涼飲料水や食品はどこでも、いつでも同じ味です。お客様の中でも「前回と味が違う!」ということを得意げに仰る方もいらっしゃるが、「同じ味ということは作られた味。それって不自然。」という話しをすると、殆どの方はクレームの矛を下ろしてくださいます。次第に、その変化が楽しくなってくる方も多い。koyomiのお客様がリピーターが多いので、「1年を通じて変化を楽しむ」という楽しみ方を粋に感じて頂ける方が増えてきた。

食品ロスを出さないための要はkoyomiの冷凍庫です。koyomiは急速冷却機や瞬間冷凍庫、保存用の冷凍庫や、高めの温度で設定しているチルド冷凍庫など、4つの温度帯の冷凍庫を持っている。素材を調理して、最高の状態で瞬間冷凍することで、添加物を一切使わずに、保存性を高める。保存性が高いので、頑張って売り切ればロスは出ない。koyomiは旬を追いかけることを名前の由来としていますが、時の流れを意識した時に、私達は冷凍技術で、時を止める、という方法を選びました。

最近では「知らない人が握ったオニギリより、工場で生産されたオニギリの方が安心」という考え方が増えているようです。漬物も今後は製造許可が必要になるので、製造設備、殺菌設備を持たない地域のおばちゃんが作っている漬物、道の駅で売っている美味しい漬物はこの世から消える。

日本人の食事はどこに向かっているのだろう。私達の腸内には100兆匹にも及ぶ腸内細菌がいます。でも昔は300兆匹だったそうです。

日本人は添加物大国になる過程で、2/3の腸内細菌を失いました。大切な日本人らしさを失ってしまったという人もいます。

でも残された100兆の細菌たちは知っている。日本人らしい本物の食事を知っている。そして腸内フローラは育むことができます。

koyomiの食事はたっぷりサイズ。でも皆さん綺麗に完食してくださる。koyomiのロスゼロは、お客様が完食して完結します。

「賞味期限は他人が決めるものではない」。腐敗しない限り発酵を続ける、発酵食品に賞味期限をつけることはできない。世界一のレストランとして有名なノーマ(Noma)は、発酵食品の食べ頃を決めることこそ、料理人の一番大切な仕事としています。ノーマにとって、賞味期限という概念は存在しない。栄養価と味を最高の状態で提供するセンスこそ、ノーマの個性の源泉なのかもしれません。ノーマの食事との向き合い方には、いつも希望を感じます。

本物の食事を提供することは珍しいし、だからこそ勇気が必要です。そして、私たちは、綺麗に食べてくださるお客様からいつも勇気を頂いています。

きっと未来は悪くない💫

<ジュースを飲むことで、食品ロスゼロに立ち向かおう>

https://koyomi-juice.com/?pid=178540350

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