食の闇

koyomiは病み系のYummy系として、食の闇と向き合っています。とは言っても、暗い暗いと悲観していても進歩は無いので、その闇にまず関心を寄せ、私たちならこの闇にどう反応するか、ということを日々考え、行動しています。
べジンジャーズが生まれた背景にも「深い深い食の闇に対して、私達に何ができるのだろうか」というモヤモヤした気持ちがあった様に思います。怒りと好奇心の入り混じったマグマの様なエネルギー。自分たちが行動して、簡単に変わることではないかもしれないけど、行動しないといけない、という心の声。
今回も前回に引き続き、暗めの投稿です。闇と向き合って初めて、光を見出すことができる、と信じて書いています。
今日のお話しは、日本の食の闇。
まず、食品表示基準は、私達が知らない間に改悪され続けています。商品を改悪する場合、誠意ある作り手であれば、説明をします。知らない間に改善することは良いとしても、知らない間に改悪することは、お客様への思いやりに欠けます。
例えば、2020年7月以降、加工食品に使われる添加物から「人工」の文言が削除されました。また、2023年4月からは大豆/トウモロコシなどを原料にした食品に対する「遺伝子組み換えでない」という表示が多くのケースで出来なくなっています。
すなわち、これまで私達が表示を見て避けていたものが、わかりにくくなっているということです。それどころじゃない、不誠実な表現も多く確認できます。例えば、「国内製造」というパッケージ。安全な国産?と思いきや、輸入した原料を国内の工場で製造しているものです。
消費者である私達は、「お里が知りたい」という根本的な願望を持っています。しかし、政府や売り手は「お里を知られたくない」という動機がある、ということを理解しておく必要があります。政府も人間です。東大やハーバード卒かもしれませんが、人間です。しかも嘘をつこうとしている人間には、必ず綻びが出ます。そして、ほぼ全ての嘘の動機は同じです。資本主義の原理原則に則って動くものの嘘を見破るには有効な手掛かりがあります。それは人間の欲です。資本主義の原動力は「欲」だからです。
だから、政府や大企業、メディアの嘘を見破る簡単なテクニックは、登場人物の利権(欲)に注目することです。
それが故に、「食の闇」と無闇に恐ることはないのです。受験勉強が多少得意だった人間が、関係者の欲を満たすために作った人工的なルールですから、私たちがしつこく追いかければ突き止めることが必ず出来ますし、粘り強く働きかければ変えることも出来ます。自然には抗えませんが、人工物には抗えます。そうやって抗うこと自体が、人類の文明を前に進める力なのですから、遠慮なくどんどんやるべきです。
日本でも「安全なものを食べたい」という消費者の意識は高まって来ていますが、まだ政府や大手メーカーを動かすまでには至っていない様です。余談ですが、アメリカをはじめ、オーガニック先進国は国民の意識と科学的根拠が政府とメーカーを動かしています。オーガニック先進国であるドイツ人は、第二次世界大戦中にヒトラーが生み出した生物化学兵器の技術応用で農薬が開発されていたという事実に向き合い、「自国として、これを否定することが誠意」という民意が国を動かした。日本は、政府が巧みなのか、メディアの影響か、国民が従順なのか。。。食へのリテラシーが低いです。
ちなみに、2024年4月からは実は、「無添加」の表示も原則として出来なくなりました。理由は、食品添加物に対する不安を与えるから(!!)。これで、できるだけ少なく添加物を使っている商品と、たっぷり使っている商品の区別が出来なくなります。これでも暴動が起きない、日本はある意味スゴイですよね。
消費者に選ぶ権利を与えることが、最低限必要ですが、それを出来なくしている、というのが日本の実態です。とても残念な事実です。
でも最初は違った。
かつて、日本の食品衛生・安全基準は従来、世界的に見てもレベルが高く、規制も厳しかった。それがいつの間にか、知らない間に日本の食品安全基準が規制緩和され続けた結果が今です。戦後、日本人のライフスタイルが多様化し、加工食品が増える中で、保存料などの食品添加物を使うのは仕方のないこと。それでも、1972年には「食品添加物は体にとって異物であり、極力制限すること」という国会付帯決議が出され、添加物が無闇に増えることがないよう制限されてきました。
1980年代に自国の余剰作物の輸出先を確保したいアメリカが日本に圧力をかけて規制緩和を求めて行ったという背景があります。アメリカは日本製の自動車がアメリカで売れまくることを不公平として、自動車を人質にとり交渉しました。レーガンに屈したのが中曽根政権です。しかも、それは、お互いの国のメンツを保つために、とっても分かりにくく周到に実施されてきました。アメリカの安全基準は非常に緩いため、日本では輸入許可が出ません。そこで、最初に実施されたのが、検疫検査の迅速・簡便化です。そこから、本来は禁止されていた農薬やホルモン剤、遺伝子組み換え食品が輸入される様になります。そこからは坂を転がり落ちる雪だるま。規制は緩和の一途を加速し、対象の品目と量は増え続け、今のところその勢いは維持されています。
その背後にいたのはモンサント社に代表されるアメリカの多国籍巨大企業というのは有名な話しですが、モンサントがそれをどう実現したのかはご存知でしょうか。モンサントが自分たちに有利な規制緩和を実現したい時、モンサントは民主党と共和党の両方に多額の寄付をします。そして、新しい大統領のもと、自社の幹部を規制当局の局長や長官として送り込むのです。そうして規制緩和をさせて、それが実現すると、会社に戻って出世コース。この回転ドア方式の汚いやり口はアメリカでも問題視され、市民団体に摘発されています。Netflixでも赤裸々にドキュメンタリーにされているのでアメリカでは子供でもモンサントを知っています。アメリカでは肩身の狭いモンサントは、ますます日本に禁止薬物を押し込む動機が生まれるわけです。
企業は利益を、政府は献金を手放したくない。それに犠牲になったのが、日本人の健康です。
事実を知ること。知った上で、どう反応(Responce)するのか。その反応する能力(Ability)こそが、私達に与えられたResponsibility(責任)なのだと思います。そして、このResponsiblityという能力は、霊長類の中でも、唯一人間だけに与えられた「自由」でもあります。どう反応するかは、その人の意識次第、という意味での自由。だから、責任と自由は表裏一体なのです。
せっかくの自由だもの、謳歌したいものです。
そして、私達べジンジャーズはその存在が続く限り、この怒りと好奇心の火を燃やし続けて、私たちなりにその責任と自由を謳歌するのだと思います。
私たちに出来ること。私たちがしたいこと。私たちがやるべきこと。
ジュースやスープを作るだけじゃなく、「食育」というフロンティアもあるのかな、と思ったりします。
日本人の食のリテラシーをあげること、そこには伸び代しかありません。それは暗闇にさす光の一つになると思う。
<本物の食事を取り入れることは、自分らしさを取り戻すことに繋がります。私たちは、koyomiのジュースを習慣にして頂けるお客様を応援します>